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01
カゲロウ シーン抜粋&ライターコメント
ゲーム中シーン抜粋
カゲロウ「ねぇ? 君は嫌だった? 僕と腕組みたくない?」
薫「う。嫌……ではないけど」
カゲロウ「じゃあ恐い?」
薫「恐くもないよ」
カゲロウ「ふーん、自分で言うのもなんだけどさぁ、君って警戒心皆無だよね」
薫「失礼だなぁ。カゲロウが相手だから警戒できないんだよ」
カゲロウ「ああ、可愛すぎて?」
薫「いやまあ、確かに可愛いけど、そうじゃなくて」
薫「なんかカゲロウって、見た目が猫っぽいじゃん? だから猫にじゃれつかれてる気分になるというか……」
薫「あ、悪い意味じゃなくて、可愛いって意味ね」
カゲロウ「へぇ、猫好きなんだ?」
薫「うん。かなり」
カゲロウ「はは、いいこと聞いた」
薫「だからって、くっついていいとは言ってないよ」
カゲロウ「そんな冷たいこと言われると寂しいニャン」
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02
司 シーン抜粋&ライターコメント
ゲーム中シーン抜粋
司「守人さん」
守人「はい」
司「アンタの嫁にならないといけないっていうのも、納得はしてない」
守人「そうでしょうね。人の身で理解できることではありませんから」
司「ええ。でも……そうしなきゃこの子が死ぬというのなら、許しはしないけど、認めてあげる」
薫「! 司……?」
この場では唯一の味方だと思っていたのに、すぐさま否定されたみたいで動揺してしまう。
それを察してか、司の手が優しく私の肩を包む。
視線は守人に据えたままで、怒っているようにも、無表情にも見えた。
司「私はこの子の命を、第一優先に考えてる。だから危険があるというのなら、遠ざけてほしい。
また、主人公の命が第一優先と言っている彼ではありますが、場合によっては主人公の意思や信念を尊重する等、柔軟性もある心強い味方です。 彼のエンドはほのぼのしていて、監修している時から癒されるなーと思っていました。
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03
カゲロウ ショートストーリー
ささやかな呪い
著・松竹梅「まったく、これだから子供は困るんだよねー」
隠すつもりのない文句を呟けば、僕の膝の上でのんきな寝息を立てている存在がみじろいだ。さっきまでわんわん泣いていたのに、すっかり大人しい。と思ったら、邪魔だと言わんばかりに僕がかけた毛布を跳ねのけてしまう。
途端、夜の冷たい空気を嫌がるように、眼下の細い肩が震える。温かい僕の膝に縋りつく。
僕は溜息をつきながら、しっかり足先まで毛布を掛けなおした。
泣き疲れて眠るなんて、本当に十七歳か? と問いたくなる。
「まあ、そんなところも可愛いんだけど」
泣きすぎたせいで赤くなっている鼻先を、指先で弾いてみる。「んん」と小さく呻いて僕の太腿に頬をすり寄せてくるから、思わず食べてしまいたくなった。
「でも君は、僕のそういう気持ちが見えないんだよね。君の中では、僕は可愛い男の子だから」
あざとく、かわいく、を武器にしている僕にとっては、ある意味狙い通りの反応ともいえる。
でも最近は、それがちょっと面白くない。アイツばかり映す瞳に嫉妬して、つい他が入らないように顔を寄せてしまう。そんな行動も、きっと「じゃれてる」と思われている。
「やっぱ、面白くないなぁ」
やつあたりで、今度はおでこを弾く。
これでもまだ起きない。
段々と面白くなってきて、僕はふとイタズラを思いついた。
そうっと小さな頭を座布団の上に置く。身をかがめ、おまじないをかける口調で囁いた。
「この瞳が、僕だけを映しますように」
言いながら、片方の瞼に唇を軽く押しあてる。
言の葉の力は強い。祈り続ければ、この瞳は本当に僕だけのものになるかもしれない。
「もう片方は、アイツのために残しておいてあげる」
本当は、他の誰も映してほしくないけど。
「君が好きだから、君を守るよ」
――今夜、僕はそう決めたんだ。
【あとがき】BY 松竹梅
カゲロウイベントのとあるシーンの後話です。
これがどことどこの間の話なのか、プレイしながら探していただけると嬉しいです。
来月はついに罪喰い発売ですね!
罪喰いはルート制限がかかっているので、最初からカゲロウにいく方はいないと思いますが、
その順番にも意味があるので、謎とかが解けていく感覚も、楽しんでいただけますと幸いです。
ここでしか読めないコンテンツ満載!